費用便益比とは
費用便益比は、公共事業に投じる費用に対して、社会全体にどれだけの便益が生まれるかを数値で表したものです。「B/C」とも表記され、Bは便益、Cは費用を意味します。
計算の基本は「総便益÷総費用」です。例えば、現在価値に換算した便益が1,200億円、費用が1,000億円なら、B/Cは1.2となります。数値が大きいほど、費用に対する社会的な効果が大きいと評価できます。
鉄道やモノレールの便益には、利用者の所要時間短縮、乗換え負担の軽減、交通費の変化、道路混雑の緩和、交通事故の減少、環境負荷の低減などが含まれます。建設費、用地費、車両費、維持管理費、将来の設備更新費などが費用として計上されます。
建設費や便益は長い期間にわたって発生します。将来の金額と現在の金額をそのまま比較することはできないため、社会的割引率を用いて現在価値へ換算したうえで合計します。したがって、割引率や需要予測、建設期間などの条件によってB/Cは変化します。
B/Cが1を上回れば、貨幣換算できた便益が費用を上回ることを示します。ただし、1を下回っただけで「社会的に必要のない事業」と断定するのは適切ではありません。国土交通省のマニュアルも、移動制約者の利便性、防災時の代替輸送、観光・文化への効果など、貨幣換算が難しく便益に十分含められない効果があることを指摘しています。
事業の評価では、B/Cだけでなく、収支採算性、純現在価値、内部収益率、政策上の必要性、地域への効果、環境への影響、用地取得や関係者調整の見通しなどを総合的に確認します。

町田方面延伸でも、利用需要や建設費の精査とともに、費用対効果の検証が重要になります。駅周辺のまちづくりが進み、利用者数が増えれば便益や収入は大きくなる一方、建設費が増加すれば評価結果は変化します。
B/Cは事業を考える重要な物差しですが、一つの数字だけでモノレールの必要性を決めるものではありません。

