10.導入空間とは

導入空間とは

モノレール計画で使われる「導入空間」とは、モノレールの支柱、軌道桁、駅舎、出入口などを設置するために必要な物理的な空間を指します。

法律に一律の定義が置かれた名称というより、鉄道や新交通システムの計画を検討する際に使われる実務上の言葉です。東京都も町田方面延伸について、「導入空間となり得る道路が未確定の区間」の合理的なルートを検討するため、ルート検討委員会を設置したと説明しています。

都市モノレールでは、道路中央部に支柱を設置し、その上に軌道桁を架ける構造が一般的です。そのため、図面上でルートを引けるだけでは不十分です。車道、歩道、自転車通行空間、中央分離帯、交差点、右折車線などの機能を維持しながら、モノレール施設を安全に配置できなければなりません。

駅のない一般区間では、支柱と軌道桁を中心とした比較的小さな空間で設置できる場合があります。一方、駅部ではホーム、コンコース、階段、エスカレーター、エレベーター、避難経路、電気設備などが必要となるため、より広い空間が求められます。

必要な幅は全区間で同じではありません。駅の有無、道路の車線数、交差点、カーブ、道路勾配、地下埋設物、沿道建物との距離などによって条件が変わります。箱根ケ崎方面延伸の公式資料でも、一般部と駅部で異なる標準断面が示されています。

導入空間は道路だけに限られるとは限りませんが、多摩都市モノレールは道路と一体となって整備されるため、町田方面延伸では都市計画道路の確保が大きな課題となります。

道路用地を先行取得したり、道路整備を進めたりするのは、将来事業化が決まった際に、モノレールを設置する空間が不足する事態を避けるためです。ただし、導入空間が確保されただけで、延伸の事業化や駅位置が決まったことにはなりません。

導入空間とは、地図上のルートではなく、道路機能を保ちながらモノレールの構造物を実際に収めるための立体的な空間です。


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