軌道法と鉄道事業法の違い
日本の鉄道やモノレールは、主に「軌道法」または「鉄道事業法」に基づいて整備・運営されています。
両者の大きな違いは、路線を道路と一体的に整備するのか、独立した鉄道施設として整備するのかという成り立ちにあります。
軌道法は、一般交通のために敷設される軌道に適用される法律です。同法第2条では、特別な事情がある場合を除き、軌道は道路に敷設することとされています。軌道を敷設して運輸事業を経営する場合は、国土交通大臣の「特許」を受ける必要があります。
路面電車のほか、道路上空を利用する都市モノレールや新交通システムの一部も、軌道法に基づいて運営されています。多摩都市モノレールは軌道法による軌道事業であり、箱根ケ崎方面延伸についても、2025年5月9日に軌道法第3条に基づく軌道事業特許を取得しました。
鉄道事業法は、鉄道による旅客・貨物輸送事業について定めた法律です。自ら線路と車両を保有して運行する第一種鉄道事業、他者が保有する線路を使って運行する第二種鉄道事業、線路を整備して他の事業者に使用させる第三種鉄道事業などの区分があります。鉄道事業を経営する場合は、国土交通大臣の「許可」が必要です。
ただし、「モノレールなら必ず軌道法」というわけではありません。東京モノレールは鉄道事業法に基づく鉄道事業として運営されています。一方、多摩都市モノレールは軌道法による事業です。車両が軌道桁にまたがって走るという技術方式だけでは、適用される法律は決まりません。
適用法令によって、事業開始時の手続きは「特許」と「許可」に分かれ、工事や施設変更に関する手続きも異なります。一方、安全な輸送、運賃、施設の維持管理などについては、どちらの事業者にも国の監督や技術基準が適用されます。
軌道法と鉄道事業法の違いは、モノレールか普通鉄道かという外見だけでなく、道路との関係や事業制度によって決まります。

